皆さま、こんばんは。
このような辺境まで、お越し頂き、ありがとうございます。

最近はスッキリしないお天気も続きますが、全国のメダカ愛好家の方は今日もメダカを愛でていますでしょうか?
春から梅雨へと向かう中、うちのメダカちゃん達も産卵時期に入りました。
ここから秋の終わりくらいまでは継続的に採卵できる環境が続くのですが、手を伸ばし過ぎるととんでもない事に。

そんな感じで、現在のメダカ飼育について、マッタリとご紹介です。

後半部分には、初心者さん向けのメダカの増やし方を書いてみました。
もしそちらに興味があるようでしたら、前半部分はすっ飛ばしてくださいね。

のんびりメダカ飼育日誌【2】

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前回の記事からひと月ほど経ちましたが、我が家のメダカちゃん達は、相も変わらず元気です。

特に産卵時期に入った事もあり、昨年のこの時期は色々と右往左往していたのですがその経験もあって、今年はとても安定して育てられております。

そんな中で、今回もまずは各環境ごとのメダカちゃん達の様子をご紹介です。

初期ウォーターボトル水槽のメダカちゃん達

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現在、初期のボトル水槽にメダカちゃん達は、変わらず全部で6匹が生活しております。

内訳は、前回と変わらず。

・昨年の生存者(ヒメダカ)1匹 圧倒的女王感(メス)
・紀州黄金黒鱗めだか1匹 物静かな子(メス)
・紀州黄金黒鱗めだか1匹 やたら積極的(オス)
・紀州黄金黒鱗めだか1匹 めっちゃ臆病(オス)
・紀州黄金黒鱗めだか1匹 めっちゃ細身(オス)
・紀州黄金黒鱗めだか1匹 めっちゃ沈んでる(多分オス)

計6匹が時にマッタリしつつ、時に争いながら生活しております。

産卵時期に入ったので、女王のヒメダカと黄金黒鱗めだかのメス達が抱卵しており、残りの4匹がバトルを繰り広げながら日々、果敢にアタックしております。

皆さんご存知の通り、私自身は生存競争に敗れたしがないおっさん(にんげん・おす)なのですが、この熾烈なバトルはそんなオスの視点から見ても、観察していて思わず力が入ってしまいます。

メダカの繁殖行動を見た事のある方はご存知かと思うのですが、中々に何というか、激しい物でして。
1匹のメスを巡って4匹のオスたちがこう、所狭しと身体を摺り寄せていく訳ですよ。

ちなみに、産卵を促す求愛行動(?)……愛? 愛って何だ? とか思ってしまう位強引な感じがする行動なのですが……まずはオスがメスの周りを(うっとおしく)泳ぎ回ります。

「へぃへぃ、そこの、か・の・じょ! どこ行くの?」

その動きを見ると、そんな軽薄な声が何故か私の脳内をいつもよぎるんですが、何と言うかメスの進路をふさいだり後ろから飛び掛かったりと中々にアグレッシブです。
擬人化したら速攻で通報案件なのですが、ここは流石のメダカ界と言ったところでしょうか?

そこでメスが乗り気なら、泳ぐ速度を落とします。
何となく怯えて立ち止まったようにも見えるんですけど、きっとメダカ界では問題無い筈。

あ、ちなみに、メスに気が無いと超ガン無視を決めます。
大抵はそういう時のメスは貪るように餌を求めてあちらこちらをつつきまくってるので、オスも
「あ、すいませんでしたー」みたいな感じで逃げることが多いです。

ただし、それでも執拗にアタックをかける個体も中にはいます。
そしてうちのメスたちは性格が正反対で、女王様(過去から生き延びたマザー感満載のメダカ)は、イラっと来るとめっちゃ攻撃するんですよね。
「うっさいのよ! あっち行ってなさい!」どげしっ みたいな。
それも1度じゃなくて、2度、3度、そして追撃みたいな。見てて痛そうです。

流石にこれに勝てるオスはこのボトルにはいないようで、皆、逃げます。
教訓、女の子(?)が嫌がる事はしない。

ちなみにもう片方の子は、めっちゃ臆病なので嫌だと思ったら超高速で水草の中にダイブします。

この逃げっぷりが本当に半端なくてですね、
「私の通ったところが道になるのよ!」位な勢いで、水草の隙間と言う隙間を身体でこじ開けていくんですよね。
何と言うか、残されたオスは、啞然……と言う状況です。
流石に細い水草の道を掻き分けて追いかける猛者はいません。

この相反する二人(?)のメスによって、このボトルの平穏は保たれているようです。

さて、そんなこんなでスタートする生殖行為も見どころ満載です。

ちなみにメダカの生殖行動は、オスが尾びれで、メスのお腹から背びれくらいまでの間を小刻みに振るわせて刺激を与えるんですよね。
これがまた、何と言うか、こう、頑張ってます感が凄くてですね。
「おぅおぅ、今日もお盛んですなぁ」みたいな茶々を入れたくなる位に、中々にエネルギッシュなものなのですよ。
何かこう雄たけびと言うか、叫び声が聞こえてきそうな勢いに見えるのは私だけなんですかね?

で、これが他のオスに見つからず一対一でならまだ平和な光景なんですけど、そうはならないのが自然界の厳しい所です。
当然の様に、他のオスがシレっと寄って来て、少しでもいい場所を取ろうとします。

で、この場所取りがまず第一関門なのですが、この時って割とみんなタンパクと言うか基本的には邪魔しないんですよね。この辺りは妙に紳士的と言うか。邪魔はしない。むしろ相乗りするっていう。
というか、むしろ積極的に自分から逆サイド、更にはオスの外側から更に自分も!みたいな感じで、頭から突っ込んでいくかの如くのアグレッシブさを見せます。

なので酷い時には1匹のメスに4匹のオスが集って塊りになってて大変な事に。
メスが四方八方からオスの背びれでビシビシされてる姿を見れば、そりゃ、思わず「うへぇ、なんだこれ」みたいな声も出ますよ。その位絵面がカオスなんですよね。

まぁ、ただ昨年の経験からすると、こうやってオスが積極的にアタックしてくれることで、安定して抱卵してくれているので、メスメダカの体調はとても安定しています。

これ、昨年はオスが全然いなかったせいで過抱卵を起こした結果、メダカのメス達が破裂していったんですよね。
自然界の恐ろしさを、まざまざと体験したのが昨年の出来事でした。

なので今年は夏に向けての滑り出しとしては、とてもいい感じでスタートしております。
何にせよ元気で過ごしてくれれば嬉しいです。

ちなみに、転覆病を患っていた子はオスなのですが、基本的に底が落ち着くようで、寝る時はいつも底でベターッとしてます。直上を誰かが通り過ぎても、目の前で採掘(と言う名の餌探し)をしてもマイペースに沈んでます。
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で、最近気が付いたんですけど、何故か私の視線の届く場所でいつも寝るのですよね。
普通は人の目の届かない所とか、光が入らない場所とか選ぶんじゃないの?
うーむ、その場所がお気に入りのようなので、何かあるのかもしれませんね。

しかもジーッとこちらを見ている(ように見える)のですが、こちらからジーッと見つめ返すと、なんか居心地悪そうに逃げるんですよね。

謎だ。

虫かご水槽の子達(白メダカ)


こちらは現在、7匹がのんびりと過ごしております。

他の水槽で育った白メダカ達を移してみたのですが、特に喧嘩する事もなくのんびりと過ごしているようです。
水槽が他の物より横に長いせいか、やはり育ち方が早く身体が大きくなりやすい気がします。

水も余り汚れませんし、生物の多様性も豊富なので、この水槽が一番安定している気がします。
実は、良く分からん多足生物が混入していたりするのですが、そ奴らのお陰で分解も早く進んでいる為、水質も悪くなりにくい気がします。
まぁ、見た目はダメな人はダメそうなので、写真はあえて載せません(ぉ

そんな感じで様子を見つつ、もう少し白メダカちゃん達を移住させても良いかなと思っております。

2代目ウォーターボトル 改装中(白メダカ2代目移動済み)


こちらには、虫かご水槽で育てていた白メダカの子孫たちの1世代目が育っておりましたが虫かご水槽に移動させました。

そしてこれからの繁殖に備えてと、そろそろスネールを駆逐したいので、一回リセットするために掃除しました。
それに今年もまたこのボトルが手に入るかすら不明ですし、可能な限り有効活用していこうかなと。

密かに100均巡りしているのですが、今の時期にはまだウォータボトルを見掛けないんですよね。
やはり夏が近くないと出て来ないのか、例の流行り病関係で生産自体がストップしている可能性もあるんですよね。
これ大きさ的にも、あまり場所撮らないから凄く良いんですけど。

と言う訳で今は水槽にメダカがいないので、ぼうぼうに生えた草をめっちゃ引っこ抜いて、スネールを駆逐しつつ環境整備中です。
エビたちをもう少し購入してエビ飼育繁殖用ボトルにしても良いかもしれないかなーとか思ってます。

3代目ウォーターボトルの子達(川メダカ)

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川メダカは、少し黒みがかっているのが特徴なのですが、これがまた何とも可愛いのですよね。
冬にたっぷりと餌を食べたせいなのか、凄くでっぷりした気がしますが、こんな物なのだろうか?
現在、変わらず4匹が元気に生育中です。

他のボトルの清掃がてら、こちらのボトルも清掃してトリミング・苔落としをしました。
なので水の色が真緑なのです。

それでふと、ホテイアオイの根を見たら普通に産卵しておりましたね。
こちらも採卵して無事、2世代目が育成中です。
他の子達は色素が薄いのですが、この子達の子孫は初めから黒いので分かりやすいですね。

特に私はこだわりがないので、色んな子達と掛け合わせて、色とりどりなメダカが生まれてくれればと期待中です。

問題は、育成環境をもっと増やさないと対応でき無さそうと言う所でしょうか(沼にドはまり

4代目ウォーターボトルの子達(絶対強者と幹之系とか)

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昨年は全部で4つのウォーターボトルを仕込んでいたのですが、その内の一つが管理の失敗で腐海の森と化してました。

秋口くらいまで水草が繁っていたのですが、温度管理と日照が足りなかった事で一気に枯れまして。
枯れた苔が壁面を覆っていた事もあって、中の様子も分からない状況。
正に朽ち落ちた森という感じの様相を呈しており、これは駄目だなと、つい最近まで放置してたんですよね(怠惰

しかし育成環境が足りなくなって来た事と、この状態から回復させる事は可能なのか?という好奇心が湧き上がり、多少のメンテをして、その後どうなるか見て見る事にしました。

まず、壁面の苔をゴッソリとこそぎ落としてみたのですが、びっくり!!
何と1匹だけですが、昨年の生き残りがいたのです。めっちゃビビって逃げて行きましたが。

しかしお前、この環境で生き抜いたのか……凄すぎる。
この水の中に生き物いるの? っていう位、ズタボロの環境だったんですよね。
てか、餌やってなかったんだが……なんかすまん。

流石に、清掃すると水の汚れ度は半端ないと思ったので一旦隔離してボトルの清掃を再開です。
と言っても、やる事は壁面をブラシでこすって綺麗にし、朽ち落ちた植物の残骸をある程度取りのぞいただけです。
特に植物の中でも、まだ根をはって辛うじて生存している物は残しました。

その後は、汚れた水を半分ほど入れ替える位の作業だけです。
数時間ほど待てば茶色くなった水は透明さを取り戻します。

そして生き残りを戻し、いつでも見られるようにデスクの反対側に設置しました。
これで私のデスクの右には、6匹のメダカ達。今日もハーレム騒ぎです(言い方

左には、死の世界から始まるボトルに生きる1匹が見られるようになりました。

しかしこのまま同じ環境に放っておけば、いずれ同じ事になります。
なので三つだけ状況を改善しました。

① エアポンプを入れる(ろ過機能なし)
② ボトル専用のLEDライトを照射する
③ ミナミヌマエビ隊投入(5匹)

多分、今までの環境で生きて来られたのですから、ここまで手を入れれば問題ないんじゃない?という、経験則に基づいた確信もありました。
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そして、変化は1週間でおきました。

まず、底面に沈んでいた朽ちた植物たちの残骸が無くなり、底面のボタニカルソイルが出てきました。
あんなにヘドロみたいに積もってたのに。生き物の浄化作用半端ない。

ちなみに、この間、餌は3日に1回位で、しかも本当に少量だけ与えてます。
何故なら絶対強者な生き残りメダカが、腐った植物の残骸をドリルの如く頭突っ込んで貪っていたからなんですよね。
なるほど、これで生き延びたのか、お前。
更にそこにミナミヌマエビ隊も加わった結果、あっという間に残骸が無くなりました。

以前は腐海の森となっていた為、泳ぐスペースもなくあまり動いてなかったと思われるメダカちゃんでしたが、今は広くなったスペースを悠々と楽しそうに泳いでいます。

そして、それから更に1週間で残骸は完全になくなり、代わりに朽ちた水草から新しい芽が出て来たのです。
何と言うか、環境が再生していく姿を眺められると言うのもある意味貴重な経験かも。
その後、1日に1回、餌を与えるようになり、水替えもあまり必要ない状態になったので、思い切って新しいメダカを投入する事にしました。

前から飼ってみたかった幹之(みゆき)メダカです。

この子達、めっちゃメタリックな感じで凄く綺麗なんですよね。
実は初期の段階で一度、成体を購入したことがあるのですが、1週間で星となりました。
やはり環境に合わせて育てるなら、成体より稚魚の方が良いっぽいんですよね。

ちなみに写真だとちょっと分からないと思うのですが、銀に近い感じでしかも透明感もあるので特に横から見ると凄く映えるんです。

そんな感じで絶対強者なメダカさんだけだと寂しいので、念願の幹之メダカちゃん達も加えて楽しむことにしました。

今回お世話になったのはこちらのネットショップさんです。

元気な稚魚たちが届きまして、まずは稚魚たちが大きく育つまでのんびりと育てました。
1週間ほどでとりあえず問題ないレベルに育ったので、遂に混泳開始です。
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様子を見ながら大きくなった子を随時追加していきましたが、今の所問題なさそうですね。
再生環境という事もあって、良く分からん病気とかあるかもと思ったのですが、そういう事もなく。

やはり稚魚からある程度ワイルドな環境で育てた方が、強い個体になるらしいですね。
自然環境はかくも過酷なのか……。

そして更にこのところの高温で一気に植物が伸びました。
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自然の力おそるべし! そして苔がぁああ!?

と言う訳で、休日に全てのボトル(計4個)を清掃しました。
写真で水が緑がかっているのはそのせいですね。

ちなみに私の場合は、苔をブラシで落とした後は、水を3分の1ほど変えてそのままです。
ちゃんとバクテリアが生きていれば、次の日くらいには透明になってます。

今後も育ってきたらまた記事でご紹介したいと思います。

発泡スチロール水槽(白メダカ2代目)


昨年、白メダカお母さんがめちゃくちゃ多産だったので、もう一つの水槽でも試験的に育成しております。
こちらの水槽には田沼土を入れておりまして、ハス様を育てようとしたのですが、失敗しました(ぉ
その残骸に生息している子達になります。

こちらは少し手を加えた上で、外に出してみようかなと考えてます。
今、外には睡蓮鉢のビオトープ環境のみなのですが、こちらも上手く立ち上がってくれれば、水生植物の育成場に使えそうですし。
今年の夏も暑くなりそうなので、我が春庭の環境を少しでも快適にすべく、今年はその方向で進めてみたいと思います。

屋外 睡蓮鉢(ヒメダカ2年目)

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昨年から冬を乗り越え生き残った3匹です。面構えが違う(何

屋外の場合は温度変化が激しく、この時期からは特に注意が必要なんですよね。
やはり寒さより、急激な温度上昇の方がヤバそうだと経験上学びました。
今の時期はまだ大丈夫なようですが、もう少し日差しが強くなってきたら、最悪、すだれでも買って来て被せようと思っております。

それが必要が無いように、春庭育成計画を始動して何とか植物たちの葉で影を作って今年は安定的に飼育出来れば良いなぁと思ってます。

ちなみに、あまりにも藻が凄かったので軽く取り除き、追肥しました。
睡蓮さんは、根元に日の光が当たらないと花芽が出ませんからね。
これで少しは睡蓮さんも元気になって今年こそ花を咲かせてくれるといいなぁ。

採卵とか稚魚の育成について

昨年からの経験もあって、今年ものんびりとメダカちゃん達の稚魚を育成し始めています。
ただ、メダカの飼育を始めたばかりの方は、きっと困っちゃいますよね。

なのでメダカちゃんが卵を産んでくれた後、採卵して稚魚を育てる場合はどんなことに気を付けて行けば良いか、私なりの考えをこちらにまとめておきたいと思います。

我流となってしまいますが、それでも宜しければご参考までにどうぞです。

産卵・採卵場所を作って上げる

メダカはメスが抱卵し、そこにオスが精子をぶっかけて(言い方)生殖するわけですが、その後も問題です。
そのまま卵を抱えていると邪魔ですし、何より下手すりゃ1日一回のサイクルがあるくらい、やたらめったら抱卵します。

なのでメスも早く受精した卵を手放してしまいたいわけです。
そこで、メスは卵を産み付ける場所を探すわけなのですが、その場所が無いとメスも困ってしまうのですよね。

なので安定的に卵を産み付けてもらうためにも、産卵場所を用意しましょう。
そして、その場所になるのが基本的には縦に幅があり体のこすりつけられる浮遊物です。

と言う訳で、自然物ならこの記事でも何度も出てきている
ホテイアオイが、とても良い産卵場所になります。

ただ、この子は今の時期ならどこでも売ってますけど、手に入らないこともあるでしょう。
そういう場合は、アナカリスやマツモの様な、長く伸びる植物で代用しても良いのですが、育成状況によっては、メダカが産み付けてくれないこともあります。
またやはり生ものである以上、入手が難しい場合もあるかもしれません。

そういう時は、人工物で補ってしまうのが良いですね。

こんな既製品もありますが、100均で材料を集めて作る事も可能ですので、ご自分のやり方に合った方法を選んで下さいね。

個人的には最初に書いた通り、ホテイアオイが色んな意味で最強だと思いますのでお勧めです!

卵を別容器に移しカルキ水で孵化を待とう

ここからは、実は意見が分かれるポイントの一つです。
まず産卵床に産み付けられた卵を別容器(もしくは別スペース)に隔離するというのは共通です。

ちなみになんで別の場所に移すかと言うと、メダカに食べられるからです。
産んだのに自分で食べることもあるという、マッチポンプ的な生き方をするのがメダカです。
なので放っておくとまずほとんどの卵はメダカの腹の中に納まるので隔離する必要があるのです。

ちなみに仮に運よく孵化できたとしても、メダカの口に入る大きさの時には親に食われます。
可愛い顔に似合わず、割とヘビィで世紀末な生き方をしているのがメダカなのです。

さて、隔離する場合ですがその扱い方が大きく分けて2通りあります。

① カルキが含まれた水道水で孵化を待つ
⇒ 産卵床ごとカルキ水にドボンです。そのまま孵化を待ちます。
  産卵床は孵化まで動かせないのでローテンションするために複数必要です。

② 飼育水・もしくは別スペースで
孵化を待つ
⇒ 卵の中で受精している物を選別し、飼育水へと入れておきます。
  卵を取った産卵床は回収しすぐに運用できます。


ようは扱う水が違う訳ですが、ここで作業工程が変わってきます。
ちなみに、私は①のカルキ水での孵化をいつもしています。

理由はとても単純で、孵化させるだけならそれが一番楽だからです。
ただ孵化した後に、再度、稚魚たちの場所を移す必要が出てきます。

②の場合は、孵化したらそのまま育成場所としても使えます。
ですが卵の選別をしないと生存確率がグッと落ちます

なぜそうなるかと言うと、受精しなかった卵は数日で腐るからです。
この時、未受精卵の隣に受精卵があると巻き込まれて腐ります。
だから、最初にカルキ水につけておくと、腐るのが遅れて孵化に間に合うのです。

ちなみに、カルキ水に着けたら受精卵も死んじゃうのでは?と思う方もいらっしゃるかもですが
受精した卵は殻が硬くなるのでカルキを通しません
逆に未授精卵は、柔らかいので簡単に潰れます
触ってみると一発で分かるので、もし機会があればプニプニしてみて下さい。
弾力があって食べたらプチっとして美味しそうなのが受精卵です(ぉ

なので、遠慮なくカルキ水につけてしまって大丈夫です。
孵るころには、カルキも自然に抜けて問題ない状態になってます。

ただ、カルキ水なので栄養が全くありません。
稚魚は3日ほどは自分で栄養を蓄えているので生きられるのですが、それ以上は厳しいです。
孵ったら早めに飼育水に入れてあげるか、稚魚でも食べられる餌を用意して下さいね。

そんな感じで採卵の回数やどのくらい増やすかで変わってくると思いますので、ご自分の目的に合った形で卵を孵す環境を選んでみて下さい。

孵化したら稚魚育成用環境に移してあげよう

さて、見事孵化に成功したら可愛い稚魚がチマーっと泳いでいる姿を確認できるはずです。
これがまた可愛いんですよね。

しかし放っておくと、餌が無い場合はあっという間にやせ細り、溶けてなくなってしまいます。
折角無事に生まれたのですから、なるべく多くの稚魚ちゃん達に育ってほしいですよね。

そこで、餌やりを開始するわけなのですが、これがまた状況によっては難しかったりします。

と言いますのも、①の環境でカルキ水から孵化した場合は、餌をあげる必要があるのですが、餌をあげ始めるとあっという間に水が腐ります。
その過程で、まだ孵化していない卵が駄目になったり、環境負荷に耐えきれない子達が星になる事が多いです。
まぁ、面倒だからそれでも良いやって場合もあると思うのですが、今までの経験上餌をあげて飼育する環境と孵化させる環境は分けた方が安定します

そのこともあって①をお勧めしてる訳ですね。

じゃあ、飼育するのに適した環境とは? と言う話になるのですが、これも2つあります。

一つはグリーンウォーター
もう一つは、既にある程度生物循環が安定している環境です。

生物循環が安定している環境は、ようは親がいる環境やそれに類するものなので、水槽の端を隔離して稚魚用のスペースを作ってあげるのもやり方の一つです。
また、稚魚育成用に大きなメダカのいない環境を作っておくのもありです。

ですが、稚魚は基本的に多く生まれますので、やはり手軽に育成できる環境にしておくと楽です。
そういう意味では、グリーンウォーターをお勧めします。

グリーンウォーターの作り方は簡単で、ある程度安定しているメダカの飼育水をくみおいて、太陽光に良く当てるだけです。

私は苔取りした後の廃棄水を集めて、そのまま一つの容器にまとめ、カルキ抜きをした水で薄めつつ日の光を当ててグリーンウォーターを作ってます。

この水の中では、餌がほぼいらないので飼育が楽です。
ただ、グリーンウォーターだけだと栄養が足りない場合もありますので、少量の餌も併せてあげましょう。
餌はなるべく細かいパウダー系のものがベストです。

ちなみに私はこちらの商品を使ってます。

食いつきも良いですし細かいので食べてくれることが多いです。
ちなみにある程度大きくなったら、こちらの商品に切り替えてます。

世の中では1cmとか言われますけど、目安は見た目からもメダカと分かるほど形がしっかりしてきた位ですかね。
餌の粒を食べられれば良いので、口の大きさを見ながら判断してみて下さい。

ただどちらも餌のあげ過ぎには注意です。
特にこの時期から夏の終わりは、気を抜くと凄い勢いで水質悪化します。

基本的にビオトープ化していればメダカが餓死する事は滅多にないので、身体の大きさを見ながら餌の量を調節してあげて下さいね。

ある程度大きくなったら親の水槽に戻すのもあり

先ほども書いた通り、メダカは自分の産んだ卵だろうが子供だろうが口に入れば食べます。
そんなバイオレンスな世界に生きるわけですが、逆に言えば口に入らないなら食べられ無いのです。

と言う訳で、稚魚の大きさが親の口以上になったら、親の水槽に戻してみるのもありです。
ただ、親の水槽は既に飽和状態になっていることもあるでしょうから、そうなると新しい環境が必要になります。

特に稚魚の成長には差があるので、あまり大きくなりすぎた個体を残しておくと、育ちの悪い個体を食べられてしまう恐れが出てきます。

メダカの世界は怖いですね……。

そんな訳で、メダカの繁殖をしていくと、ある程度メダカの大きさで環境を仕切っていく必要が出てきます。
更に掛け合わせとかこだわり始めると、もう手が付けられません。
なので、沼にハマると水槽がどんどん増えていくわけなんですよね。

そんなメダカ沼ですが、ある程度慣れてしまえばとても楽しいです。
何よりメダカの泳ぐ姿って何か、ずっと見てしまうんですよね。
これは実際に生活に取り入れてみないと、実感は沸かないと思います。

もし興味がありましたら、そんな魅力的なメダカちゃん達のいる生活を体験してみて下さいね。

今回の記事は以上になります。
お読みいただきありがとうございました。