皆さま、こんばんは。
このような辺境まで、お越し頂き、ありがとうございます。

さて、山場の一つとなった
WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL
が、先日終了いたしました。
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原作組の私としては、大満足です。

一つ一つの大事な場面が映像と音で表現され
頭の中で描いていた情景が綺麗に、現実へと描写されてる事実に、
ただ、ただ、感謝し驚くしかない状態でした。

もう、個人的には文句のつけようが無い程、綺麗に纏め切ってくれたと思っています。

監督さんやスタッフの皆様は、相当、世界観を練り上げて描写してくれたんだろうと
肌だけでなく心の奥底で感じられる内容となっております。
実際、視聴後は年甲斐もなく号泣でございました(恥)

とまぁ、私、個人はそう思っている訳ですが、その分尺も無く、
かなり繊細な描写が多いのも事実です。

特にアニメ組の方で、しかも初見の方は、各シーンにおいて、読み取れない情報が
それはもう、多く出てきた事かと思います。

え? 今のシーン何だったの?
ここが訳分からん!?

と言う方もいらっしゃるのではないかと思います。

そこで、簡単にではありますが、解釈の難しい部分に絞って、私的に解説していきたいと思います。

なお、今回の話を理解するには、前の話も理解しておく必要があります。
宜しければ、過去の記事もどうぞ。

サクラダリセットのススメ
中学生編まとめ
第3・4話まとめ

新たなる厨二病 おかえり

折角、村瀬さんが厨二病を脱したと思えば、新たな罹患者が登場です。
そう、浅井ケイを崇拝してやまない、『岡 絵里』嬢ですね。

彼女の紹介の際、過去のシーンが流れましたが、こちらは後日、放送予定の
MEMORY in CHILDREN 3/3』にて少し補完されると思います。
※6月16日訂正
第10話で、MEMORY in CHILDREN 3/3中が放送されましたが、
私の予想していた内容と違っていました……。
後日、中学時代の最後の話が補完されるかは、現時点では読めませんが、
もしやるなら、その時に、岡絵里についてもやると思います。

中学生時代のケイ達のお話ですね。
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まぁ、こちらの記事にも書きましたが、上記のお話は青い時代のケイ達です。
今のイメージと比べてみると、色々と納得できる部分があるかと思いますよ。

さて、話を戻して、彼女の話です。
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まず、「ヤッホ、先輩」と言うフレーズが耳に残りまくる彼女ですが、
その能力は非常に特殊で厄介な物でした。

以下、公式より抜粋です。

他人の記憶を足したり、引いたりする能力を持つ。
他人に漠然としたイメージを植え付けると、相手が頭の中で勝手にそれに即した記憶を作り出す。
植え付けるイメージを上手く利用すれば、相手の行動を指定する事もできる。
記憶を引く能力は、相手に何かを忘れさせる事ができる。


発動条件は、5秒以上目を合わせなければいけない
また、一人の人物に対して一種類の記憶操作しか使えず、新しい記憶操作を行うと、前の操作は効力を失う
また、
外からきちんと指摘すれば、そのうち正しい記憶を思い出す。


他人に能力の使い方を忘れさせると、相手は能力を使えなくなる。
能力の使い方は本人しか知らないので、他人が指摘することはできず、新しい記憶操作を行わない限り、永続的な効果を発揮できる。



記憶を植え付ける方は、矛盾が生じればすぐに解けるのですが、
問題は、忘れさせる方の能力ですね。

作中に説明があった通り、能力を忘れさせた場合、これを破るのは難しいです。

咲良田の能力は、個人の願いによって本能的に使えるようになる物です。
その能力の使い方は、本人にしかわかりません。
なので、外からその使い方を指摘するのは、不可能に近い訳ですね。

ですが、これらの制約を逆手にとって、浅井ケイは、リセットを取り戻す事に成功しました。

灯台でのやり取りについて

こちらは、作中でも丁寧に解説されており、分かり易かったと思うので、簡単に。

〇何故、春埼は記憶操作を受けなかったのか?

こちらは、正確には、記憶操作をもろに受けてます
しかし、それは作中にも描かれていた通り、ワザと記憶操作を受けました

事実、記憶操作を受けた事により、岡絵里に春埼は笑顔を見せています
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あの春埼が! これは普通ではありえませんよね。
ですから、この時、春埼は、岡絵里の能力によって、彼女を友人と認識していました。

ですが、すぐにそれを打ち破っています
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言うまでも無く、理由は、事前に用意しておいたケイの指示ですね。

作中に描かれていた通り、ケイはいくつかのパターンを予測し、それを打ち破るための指摘を録音しておきました。
春埼は、それをずっと延々と聞いている訳ですね。狂ってやがる。

なので、そのパターンの一つであった『前に会ったのは、いつか?』と言う問いにも、
間違う事無く答えられ、結果として記憶の改ざんを防げたわけです。

ここで、恐ろしいのは、これが録音であるという事。
今のご時世、電話や無線で良いじゃんと思うかもしれませんが、ケイはその手段を取りませんでした。

何故、そうしなかったか。これはあくまで想像になりますが、
ケイがリアルタイムに対応できない事態を想定していたという事では無いかと。

現に、この時点で浅井ケイは、写真の中に取り込まれていますからね。

その後、激昂した岡絵里が、春埼に手を掛けそうになった後も、
目を閉じ、記憶操作を受けない状態にしつつ、ドアをノックする事で、
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ドアの裏に潜んでいた元革命家村瀬さんを呼び出し、彼女の助力で、難を逃れる事になります。
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これがまた、浅井ケイの恐ろしい所で、ここで、村瀬さんに種明かしをさせる事で、
岡絵里の心を折りに行ってます。

何故なら、村瀬さんは厨二病罹患者の先輩ですからね!
経験者は語ると言う奴です。説得力が違います。

浅井ケイ、恐ろしい子!?

〇何でワザと岡絵里の記憶操作を受けたか?

こちらは、前述の岡絵里の能力の特性を知っていれば分かると思います。
リセットの方法を忘れる』と言う記憶操作を、なかったことにする為です。
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前述の通り、彼女の記憶操作は、一人につき1種類のみです。
なので、新しい記憶操作をわざと受ける事で、リセットを取り戻したわけですね。

更にその記憶操作も、すぐに打ち破ってしまった訳です。

〇全てが浅井ケイの掌の上? いいえ、違います

最初から予想できているなら、浅井ケイはもっとふんぞり返っていてもおかしくないと思いませんか?
だって、ある程度読んでいるのですから、予定通りなら彼女達は安全なはずです。
もしかしたら、過去の彼なら、そうなっていたかもしれませんね。

ですが、実際、彼はめっちゃ焦っていましたよね。

何故なら、彼の想定外の事が起こり、閉じ込められてしまったからです。
浅井ケイは、万能ではありませんし、それ故に、油断をするタイプでもありません。
ですが、結果として、岡絵里に閉じ込められてしまいました。
結構ポンコツなところもあったりします。
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予防策を講じていても尚、自分も何かせずにはいられない。
この辺りに浅井ケイの独善性が見て取れますよね。
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大丈夫なはずだけど、それでも安心できずに必死にドアにぶつかって破ろうとする
そんな彼の行動が、ある意味で必然である事は、以前書いた記事から読み取れるかと思います。

魔女の行動とその意味

今回のお話の裏には、全て魔女の計画が絡んでいました。
まず、その事を念頭に置いた上で、話を整理していきたいと思います。

◯佐々野さんの能力と嘘

彼の能力は、写真の中に入るというものでした。
しかし、その能力には制約が多いと、本人が語っております。
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①彼が能力を使って撮った写真を、彼が能力を使いながら破る
②写真を破るのは、写真と同じ場所でなくてはならない
③中にいられるのは10分ぐらいで、時間が過ぎると戻される

そして、第6話で、佐々野さんは、岡絵里に能力を奪われたため、
写真に入る能力を失ったと語っておりました。

ですが、それは正確ではありません

実は、①が半分嘘になります。
確かに写真は撮れなくなりました。
ですが、彼の能力で撮った写真は、誰が破っても能力が発動します。

彼は、魔女の指示によって管理局をも欺いて、その事実を隠蔽してきました。

その嘘に気がついた管理局は、岡絵里にその事を告げています。
そして、その情報から、灯台でケイを一時的にせよ、閉じ込めることに成功しました。

また、これは描写から読み解く部分になりますが、
写真の中の世界は以下のような特徴があります。

①写真に写っていない部分は再現されない(白い部分
②能力発動時、白い部分に立っていた人は、その能力を受けない
③白い部分に移動すると、現実に戻る
④写真の中から現実へ戻る時、最後に写真の中にいた位置と同じ場所に出て来る


この①~③は、灯台で岡絵里に閉じ込められたときに、分かりやすく描写されています。
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写真に写っていない部分に岡絵里が立ち、浅井ケイを写真側に立たせて
写真を破ったので、結果的に、浅井ケイだけが写真の世界に入りました。

見ての通り、写真の後ろ側は写っていないため、再現されず空白となっております。
そこに立っていた為、岡絵里は、影響を受けなかったんですね。

そして、今回のお話の肝になる部分が④です。
こちらは、砂浜でケイが魔女に会った時に、彼が砂浜についた自分の足跡を見て気が付きました。
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そう、写真の中で移動した部分は、現実に影響を与えていません
足跡はこちらに来た自分のものだけで、しかも途中で途切れています。
それはあたかも、ワープしたように見えます

この光景を見て、ケイはあの作戦を思いつくわけですね。

◯魔女の願い

これは、もう、作品を通して見ていた皆様なら、問題ないと思います。
彼女の願いは、『最後の1週間を佐々野と一緒に過ごす』と言うものでした。

魔女という存在は、管理局に無くてはならない存在でした。
彼女の能力は、未来視です。

彼女は、咲良田の為、未来視を使ったシステムになることを受け入れました。
そして管理局は、このシステムを上手く使うことで、
能力が起こすであろう問題を未然に防いでいました。

だからこそ、平穏が保たれていたという側面があります。

ですが、彼女は最後の1週間だけ、自分の人生を取り戻すことを最初から決めていました。
それが、魔女の計画です。

【魔女の計画】

これは、浅井ケイ岡絵里利用する方法でした。

4年前、浅井ケイへと電話をかけ、咲良田へと呼び込みます。
その後、今回の話で、浅井ケイが岡絵里を完全に封殺します。
この事で、追い詰められた岡絵里は、魔女の力を手に入れるため、魔女を奪いに来ます。
その機に乗じて、魔女は逃げ出します。

ですが、その結果、岡絵里は管理局と敵対することになります
この街で管理局で敵対することは、生活の基盤を失うことを意味します。
そうなっては、彼女に幸せな未来は無いと知っていました。

魔女は常に、その事を憂いていました。
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さり際、彼女が浅井ケイに対して、『ごめんなさい』と呟きました。
それも、彼と彼女に対しての贖罪でした。

だからこそ、罪悪感に苛まれた数ある写真世界の魔女の一人が裏切ったのです。
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その結果、彼が手にしたのは3枚の写真です。
その内の一枚を使って、浅井ケイは、直接過去の魔女に会う機会を得ました。
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そして、残りの2枚は……今後に密接に関わってくることになります。

そうして浅井ケイは、魔女の計画を知り、それを覆そうと動き始めます。
魔女も、岡絵里も不幸にならない方法を模索する事になるのです。

8月9日 21時18分の攻防

今回、一番理解し辛い部分が、ここではないでしょうか?
ちょっと展開が早いので、しっかりと理解するには、何度か視聴する必要がありますね。

まず、なんでこんな事をしたかというと、こちらは分かりやすかったと思います。
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この2枚の写真を撮るため、それだけの為にあんな大立ち回り(?)をしました。

では、その流れです。

①8月9日 21時10分頃 岡絵里、魔女を奪いに来る

追い詰められた岡絵里は、魔女を奪いに単身、あの建屋に乗り込みました。
記憶操作で、管理局の人を上手く操り、魔女の部屋まで難なく到達します。

その後を少し遅れて、浅井ケイ達が難なく乗り込みました。
その際に、まず、開いた入り口の写真を、佐々野さんに撮ってもらいました。
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②管理局員に能力を使おうとしていた岡絵里に追いつきます
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その際、廊下を佐々野さんに撮ってもらっています。
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これは、管理局員の一人を、写真の中に封じ込める為です。
乾かすためにパタパタする村瀬さんが可愛いと思ったのは、私だけでないはず。

③撮ったばかりの廊下の写真を使って、管理局員の一人を封じ込めます
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その際、村瀬さんは必殺「全身 能力」で、佐々野さんの能力を無効化し、
写真に入るのを防いでいます。
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④魔女の部屋へと入り込んだ佐々野さんが『開いた扉』を撮ります
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すぐさまそれを村瀬さんへと渡しています。かなりの早業です。
この時点で彼女の手には、入り口で撮った写真と今の写真、2枚あります。
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⑤全力で走った村瀬さんは屋外へと飛び出します
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あ~いきゃ~ん!! と言う台詞が脳裏に浮かぶ程、見事に強引な突破です。

村瀬さんが屋外へと退避した瞬間、リセット発動です。
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そして、あの灯台の攻防が終わったばかりの、8月8日に戻ります。
この後、春埼が呟いた一言が、全てを物語っています。

「村瀬さんが消えました」

ここまで視聴を続けて、理解をしている方ならお分かりかと思いますが……
村瀬さんは、「全身 能力」で、リセットを無効化していますので、リセットの影響を受けません。

その為、リセット後もあの建屋前に留まっていることになるのです。
第3・4話の設定がここで生きてくるわけですね。
村瀬さんがめっちゃ急いでいたのは、これが理由です。
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リセットする前に、建屋からでて、ひと目の付かない状態にしておかないと、
いきなり魔女の目の前に登場。そして、捕まってしまうからですね。

しかし、これで終わりではありません。
今回の目的は……村瀬さんの能力を使って、なんと……
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リセット前の物を持ち越すという荒業を達成することでした。
もう、これは脱帽ですね。

こうして、何事もなかったかのように、佐々野さんの能力が篭った
2枚の写真を手に入れることに成功したのでした。

そして魔女は自由になる

さて、いよいよ最後なのですが……
その前に、もう一つだけ、わかりにくいシーンが一つあります。

魔女が横たわり、目を閉じると、
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いきなり扉を突き抜けて、
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村瀬さん、浅井ケイ、春埼が出てくるシーンがあります。
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おいおい、何してんだよ? と思った人も多いかと思います。
これ、実際にはまだ起こっていない未来のことです。

魔女は、日課として自分の未来を見る事で、事件の有無を判断しています。
そしてこれは、浅井ケイが今晩(8月9日)会いに行くと決心したから見えた未来です。

ケイが、絶対に乗り込んでやると決心し、未来で実際に決行する事が確定したので
魔女はその未来を見ることができました。

まぁ、未来で行動を起こす予定を使って、
誰にもわからないように魔女に伝言を伝えたわけですね。

それを見た魔女は、その未来を起こさないように、直ぐに浅井ケイへと会う手はずを整えます。
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結果として、夕方にそれは実行されるわけですね。
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そんな彼女にケイは最後に問いかけました。

「どうして魔女なんですか?」

「昔聞いたことがあるの。
 箒に乗って空を飛んで、大好きな人の部屋にある窓をノックする魔女の話。
 そういうのに憧れているのよ」

写真を受け取った魔女は……
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その写真を使って扉を開き……
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最後の一週間という自由を手に入れたのでした。
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※訂正50年数十年もの間、社会のために存在を消された魔女は、
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石ころを胸に、不安を抱えながら佐々野さんの元へと会いに行きます。
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そして、魔女は窓をノックし……
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二人は幸せになったのでした。
めでたしめでたし……。



と、そこで終わらないのが、この作品の憎い所です。
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彼は、自分の未来を知ります。

貴方は大きな問題に関わることになる。
私の後継者に関する問題よ。


そんな人物が存在するんですか?

管理局はずっと探していたわ。
でも、未来を見る能力は、幾ら探しても見つからなかった。
でも、貴方はその能力者を知っている。
貴方は二年も前に出会っている。


貴女の後継者は、未来を知る能力者は、女の子ですか?
ええ。

中学生くらいで、ショートカットの痩せた、目が大きな。
ええ。

二年前に死んでしまった女の子ですか?
そうよ。そして、貴方は、もう一度彼女に出会う
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もう、このシーンの破壊力と言ったら無いですよね。
何度見ても、身震いします。

※5月31日追記
どうも関西の方では、このシーンが削られていると言う話を聞きました。
U-Nextでは、会員じゃなくても最新話が視聴できます。
不幸にもカットされてしまったシーンを見てみたい方は、如何でしょうか?

さて、話を戻します。

この後継者の少女が誰のことかは、もう、言わなくてもわかりますよね?
2話で退場してしまい、嘆いていたファンの皆様、お待たせしました。

次の話は、その話に向けての助走になります。
記憶が曖昧ですが、確か、大事な人物、大事な情報が詰め込まれた過去の話になります。

中学生の彼らと、そのやり取りを見て、そして、来る彼女の話を待ちましょう。

今回の話の中でも、実は、それに関わる重要な話が幾つも出てきました。
また、表現として、石ころの話等、解説したいものもありましたが……
残念ですが、今回はここまでとしたいと思います。

以上、雑な解説でしたが、お読み頂きありがとうございました。

※本記事の画像は、 以下の権利者より引用させて頂きました。
問題のある場合は、削除致しますので、ご連絡下さい。 
©河野裕・椎名優⁄KADOKAWA⁄アニメ「サクラダリセット」製作委員会