皆さま、こんばんは。
このような辺境まで、お越し頂き、ありがとうございます。

TVで絶賛放映中の『Rewrite』ですが、遂にあと2話となりました。
※2017年3月17日現在

そこで、現在視聴をしている方の中で、イマイチよく分からんぞ!という方や
ネタバレとか気にしないから、全容をある程度知っておきたいという方に向けて、
独断と偏見と私見だらけの解説記事を書いてみました。 

また、ネタバレ無しの軽い紹介記事を、こちらに置いてあります。
アニメを中心にネタバレを含む解説は、こちらになります。
ご興味があるようでしたら、どうぞ。

注意】
・この記事は、Rewrite本編のネタバレを盛大に含みます。
・一応、私の理解の範囲で書いておりますので、間違っている可能性もあります
(ご指摘・修正ありましたら、お教えいただけると助かります) 
・私の知識はPC版Rewrite(初回版)とアニメのみです。一部、古い解釈もあるかもしれません。


要するに、間違っていたらごめんね!
けど、多分、大筋の流れは問題ないと思うから、許して!

と言った、無責任極まりない記事となっております。

以上のことを踏まえた上で、宜しければお進み下さい。  

MOON編の主な舞台について

moon
第一期の冒頭でも描写されておりましたが、どこでもない場所、どこでもない時間である「今夜」。
そこで、瑚太郎は何度も殺されながら、篝との距離を縮めて、
遂には協力するようになる訳ですが、そもそも、この場所は何なのでしょうか?

実は、MOON編の舞台である「あの丘」は、
瑚太郎を初め、登場人物にとっては、一段階、上の次元になります。

それに対して、瑚太郎達が生きている世界を、枝世界と言います。
生命の理論に描かれているあの線一つ一つが、世界であり、あれは超高度な情報の集約体です。
kagari02
よく勘違いされるのですが、枝世界はシミュレーションではありません
あの丘も枝世界も、次元を隔てて、現実として存在します

凄く例えが微妙ですが、
あの丘は「アニメやゲームの登場人物から見た、私達の世界
と言う認識で良いかなと私は思っています。

それはもう、神の世界であり、認識もできない世界のはずです。

ですが、そこに何故か、瑚太郎が現れました。
そして、物語が進むと、加島桜まで、干渉してきます。

私達がゲームをやっていたら、ゲームのキャラがこちらに出て来るようなものです。
可愛い女の子なら良いのですが(良くない)、魔物が出て来てさぁ大変……。

加島桜が如何に化け物なのか、実感できる事例ですね。
kashima
正に、ラスボス!!

篝と生命の理論

では、篝はこんな場所で何をしているかと言えば、これは作中で語られた通り、
生命の理論を模索している所なのです。
kagari
これは、人類が存続するための方法を模索していると、言いかえる事が出来ます。

最初は、人類を抹殺するための物と瑚太郎は勘違いしますが、
意識と理解をRewriteする事で、人類の理解できる範囲を逸脱して、
より高次元の認識を手に入れ、彼女の行動を理解しました。

その結果分かったのは……
高度な知性は、感情をもただの情報としてしまい、心が冷えていくということです。

篝の様な高度な知性において、感情というものは、情報の一つでしか無いのでしょう。
更に、彼女は人と触れ合っていません。だからこそ、初期の篝は感情が薄いのです。

そして、大事なこと。
それは、篝は人類存続の為に、身を粉にして一人研究を続けていると言う事実です。

では、作中の篝は何故そんな事をしているのでしょうか?

これは、篝がそういう存在であるという事が、理由の大きな部分。
ですが、実は、アニメ内では分かり難い、もう一つの理由があります。

それは、罪悪感です。

アウロラと再進化

作中で、サラリと流されてしまうので、理解しにくい部分も多いのですが、
物語を理解する上で、超重要ポイントとなる事ですので、簡単に説明します。

〇アウロラとは?
aurora

生命の源であり、これが無いと生命は生まれない、超重要な物。
生物を進化へと導いたり、新たな生命を生む活力となります。

ですが、有限の資源であるため、やがて枯渇します。

ここでアウロラの重要な特性として、以下の二つがあります。

①アウロラは進化の履歴を参照し、再現する性質がある

つまり、同じアウロラを使い続ければ、進化の仕方は前回と同じになります。

例えば、進化して人類が生まれた歴史があり、それが滅んで消えたとします。
本来であれば、もう一度、生命を構築した場合、人類が生まれる必要はありません。
魚人かも知れないし、竜人のような生物でも良い訳です。
ですが、その残ったアウロラを使用すれば、また人類が生まれます。

前になぞった道筋を記憶し、また同じ道へと導こうとする特性があると考えられます。

②アウロラは惑星の面積に比例して活力を与える

アウロラが効果を最大限に発揮するには、星の面積が必要になります。
小さな小惑星では、活力が十分に作用せず、生命が生まれない可能性が高くなるのです。

〇再進化とは?
saisinka
再進化とは、アウロラのリサイクルです。

一期の第十三話で、皆が光りの粒子になって消えてしまいましたが、あれが再進化に当たります。
つまり、鍵の起こす救済=再進化となります。

では、何故こんな事が起こるのか?

それは、瑚太郎たちが、篝の理論をコピーした地球シミュレーターで遊んで……
いえ、実験していた時にヒントが出てきました。

その中では、知的生物が文明を築いた後、その歩みを止めてしまうと、
鍵が現れ、再進化を促しました。

進化はせずとも、人口だけは増えていきます。
勿論、人の命が増える事で、アウロラは消費されていきます。

つまり、鍵が現れ裁定するのは、アウロラの無駄な消費を抑える狙いがある事が、
ここから読み取れます。

進化しないまま停滞し、資源を浪費し続ける事を、星の意思は良しとしないという事です。

つまり、鍵というものは、星にとってのブレーカーのような物で、
ある程度、アウロラが無意味に消費された時に現れます。

改善の兆しがなければ、その知的生命体その物をシャットダウンしてしまう。

何とも乱暴な機構であると、推測できるわけですね。

瑚太郎の存在とその役割

何度も篝に殺され、その度に復活して現れる瑚太郎。
幾ら何でも、異常すぎます。

そもそも、先に述べた様に、上位の世界である、「今夜」は、特殊な場所です。
存在を維持するだけでも、特殊な条件が必要であろうことが推測されます。

では、まず、何故瑚太郎かと言うと、それは、鍵が現れた際と、
実は発生の段階で、鍵である篝と縁を持っているからです。
発生の段階の縁は、Terra編 第一話で描写されていますので、見てみて下さいね。

鍵が現れた際の縁は、言うまでも無く、腕チョンパの件です。
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以上、発生の段階と、篝に殺されかけた事から、瑚太郎は篝との間に深い縁を結んでいます
その結果、最終的に、どの世界でも、篝と何らかの形で関わることになるのです。

ただ、アニメ版での世界は例外で、篝と直接縁を結んでいます。
もしかしたら、これも大きなきっかけなのかもしれませんね。

基本的に、瑚太郎はどの世界でも誰かを選ぶ事で、結果として篝を救えません。
それは間接的に篝を殺す存在になっていると言うことです。

対して、枝世界での鍵は篝の形を取って生まれます。
これは、篝という存在が、星の意思として反映されているためです。

その結果、瑚太郎は、「今夜」に無意識的に現れる事になります。
そう、鍵である篝に対しての反作用……つまり殺す為に、です。

ですが、それは各世界で篝と縁を結んだ瑚太郎と言う存在が
何かを選んだ結果現れた作用のような物なので、
実際には、「今夜」に現れた瑚太郎は、篝に対し明確な殺意を持っている訳ではありません。

「今夜」でも、自分の存在意義も見いだせず、次第に、篝に引かれていく事になります。
そして、加島桜が鍵を抹殺するために魔物を送り込んで来た段階で、彼も気が付きます。
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瑚太郎は鍵を殺す為の存在で、役割を持っているので、他の者を害するには適していません。
その為に、「今夜」に存在している訳ではないからですね。
魔物を攻撃しようとした時、身体が重くなるのも、そのせいです。

しかし、加島桜が、鍵を殺す役割を担ってくれたことで、その役割から逃れる事が出来ます。
そして、新たに自分の存在を定義しなおしました。

篝を守る為に、ここにいる。

「今夜」にいる瑚太郎の思いを宣言した事で、
あの瞬間にMOON編の瑚太郎は唯一無二の存在となりました。

そして、その宣言の結果、今後、彼の生き返りは不可能となります。
勿論、彼が反作用の役を捨て去ったからです。

アニメの中では描かれていませんでしたが、そういう背景がありました。

瑚太郎と理論の関係性

篝が研究していた物は、生命の理論でした。

と言っても、その理論は、人類程度の知性では到底理解できず、情報量も膨大な為、
無理に触ろうとしても、その情報量から頭がパーンする程、高次元の物です。

そんな難しい理論なので、残念ながら、その研究が難航していました。
ですが、ある事をきっかけに、理論が前へと進み始めます。

それが、以下の事だと私は考えています。

①篝が人類(瑚太郎)とその感情を理解した為

最初、篝は一人きりでした。
幾ら高次元の認識を持つと言えども、一人では人類の感情を理解しようがありません。
そこに現れた瑚太郎と言う人類代表が、篝に人の感情を教える形になりました。

瑚太郎との語らいの中で、篝は徐々に、感情を理解していきます。
そして、最終的には、瑚太郎に好意を持つまでに至りました。

これが、篝の心に作用し、ある大きな決断をさせるきっかけとなります。

②瑚太郎が失われた過去を取り戻した為


これは、直接的な関係では無いのかもしれませんが……
瑚太郎が失われた過去を取り戻した事で、篝に何らかの影響を与えた可能性があります。

それは、気付きであり、瑚太郎が自分を取り戻したという事です。

瑚太郎が持つ空白の時間の意味

第一期で、瑚太郎が篝に右腕を切断され、小鳥に助けてもらう話がありました。
ですが、絵をよく見て頂ければわかると思うのですが、違和感があります。
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そう、小鳥と瑚太郎の背格好がおかしい。
つまり、年齢が合わないのです。

それもそのはずで、実際には、瑚太郎と小鳥の年は8~10年程離れています。
これが、瑚太郎が持つ、大きな謎の答えでした。だから、おっさんなんですね。
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小鳥によって辛うじて命を救われた瑚太郎は、その後眠り続けます。
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半魔物化したため、身体の加齢は止まり、姿は変わらなくなりました。
そして、眠り続けた結果……小鳥達が、眠り始めた小太郎と同じ年齢に追いつきます。
つまり、8~10年は眠り続けたということです。

ちなみに、その間、瑚太郎の事を看病していたのは、小鳥でした。
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ドルイドとなって、両親を魔物化したものの、元のようには戻らず、一人ぼっち。
孤独の中で、一人、鍵を守るという使命を負わなければならなかったのです。

かと言って、辛いからとドルイドを辞めれば、両親と瑚太郎の命は潰えます。
彼女は、眠り続ける瑚太郎にすがるしか、生きるすべが無かったのです。

更にここで、小鳥がヒロインの世界で、彼女が放った言葉があります。
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「私の知っている瑚太郎くんは全然明るくなんてなくて……
 根暗で!愛想なしで!冷たくて……優しくなくて……
 あたしの事……助けてくれなかった」

どうでしょうか? 今の瑚太郎を見ても、そういう感じはしませんよね?
つまり、瑚太郎は、眠る前と後では性格がまるで違うのです。

そして、起きた後の明るい瑚太郎は、小鳥にとって理想の性格でした。
だからこそ、彼女は、瑚太郎を受け入れられなかったのです。

魔物化したことで、瑚太郎を作り変えてしまった。
ドルイドの使命が終われば、瑚太郎は死ぬかもしれないし、
最悪、死なないにせよ、昔の瑚太郎に戻ってしまうかもしれない。

そう言う懸念があったからこそ、小鳥はずっと踏み出すことができなかったのでした。

話を戻します。
瑚太郎の空白時間が、すべての世界に存在します。

つまりは、篝と縁を結んだ瑚太郎は、必ず篝に腕を斬られ、眠ることになるのです。

その後、10余年を経て、彼は起き、世界を巡る戦いに巻き込まれる訳です。
だからこそ、MOONの瑚太郎は気付きます。

「もしもこの空白の時間こそが、星を救うのに足りなかったものならば、
 全ての原因は、俺が世界に関わるのが遅すぎたからなのか?」


その推察は、見事に的を得ていたのでした。
そして、その直後、理論は完成まで後一歩と言う所まで来ます。

不確定な未来と瑚太郎のメッセージ

篝の理論の研究は、ついに一応の決着を見ました。
hukakutei
今までは100%滅亡していた世界が、一部、不確定になって存続していたからです。

ここで、瑚太郎は、記念にメッセージを書き込みます。
勿論、それは、理論には何の関係もない場所。何も意味のない物でした。

「いつかまた君と会いたい 天王寺瑚太郎」


そう。本当に取るに足らない、ただの言葉です。
ですが……この言葉が、不明瞭だった未来に道を作りました。
理論は完成を見たのです。
kagari03

ここからは私の理解なので、間違っているかもしれませんが……

私は、この言葉が、瑚太郎という存在を導く力になったのだと考えています。
この言葉は、MOON世界の瑚太郎が願った想いの結晶です。

今までの篝の理論では、瑚太郎を完全に導く事はできなかったのではないでしょうか?
それは、篝だけの想いで作った、篝の理論だからです。

アウロラは、進化の記録のみを保持します。
ですから、思いや言葉は、本来引き継げないはずです。

だからこそ、生命が続く道は存在するが、実際に、そこに辿り着けるかどうかは分からない。
これが、不確定になった未来の正体なのではないかと、私は考えています。

ですが、ここに瑚太郎の意志が介在するきっかけが生まれました。

篝にまた会いたい。

それは、目標であり、進むべき道を照らす光です。
それが示されたことで、道が定まったのだと思います。

オカ研メンバーの召喚

イマイチ私もここは理解していないのですが、想像の範囲で解説します。

まず、瑚太郎と篝のいる「今夜」は、滅びた世界の残滓が残っています。
それは、作中で、彼女たちにまつわる色々な物として、紹介されていましたね。

それを寄り代に、彼女達を呼び出したというのは間違いないでしょう。
では、何を呼び出したか……そしてどうやって呼び出したか……これが自信がありません。

ここからは、推測になりますが……

恐らく、瑚太郎が何らかの理論を使って呼び出したのでしょう。
そして、強く願ったのは、「オカ研の皆で部活をしたい」と言うことでしょうね。

この瑚太郎の呼びかけに答えた枝世界のオカ研メンバーの意志が、寄り代に宿って顕現した。
そういう解釈だと、綺麗にまとまると思うのですが、如何でしょうか?

瑚太郎が願ったのは、部活なので、オカ研のメンバーは、その当時の姿で現れます。
okaken
静流が一人だけ大人の姿で現れたりしないのは、そういう理由かなと。
それはそれで、面白そうですが。

また、皆、瑚太郎と過ごした日々の記憶は持ち合わせていますし、
他のメンバーとの繋がりや、理解もありますので、
瑚太郎の時と同じように、多くの世界の意志の集合体だと考えられます。

全てではないでしょうが、瑚太郎の呼びかけに答えた数多の世界の彼女達が、
力を貸してくれた……そう考えるのが良いのでしょうね。

一方で、最強の江坂さんや、咲夜などはいません。
江坂さんがこられないのは、この時点での瑚太郎の存在と
関係性が希薄な所に起因していると思います。
(正確にはめっちゃ関係性はあるんですけど、瑚太郎はそれを覚えていません)

咲夜は単純に、瑚太郎より高次の存在だからでしょう。

そんな感じで、何となく、まとめてみましたが……纏まってない??

吉野と言う存在

第一期では、常に厨二病全開のアウトローキャラとして、その存在感を示していました。
ゲーム内でも、各ルートであまり面白くないギャグキャラとして、登場しております。

一見すると、ただのネタキャラ。
そして、友情を演出するためのキャラに見られがちなのですが……
実は、瑚太郎にとって、かけがえのない存在でした。

それが、MOON編の終盤で、初めて明かされます。

吉野「なぁ……俺は何かの役に立てたのか?」
瑚太郎「お前が受け入れなかったからこそ、俺は孤独でいる事が出来た。孤独だからこそ、開拓者になれたんだ」

パッと見た感じでは、単なるお涙頂戴物のシーンなのですが……
この言葉の裏に隠された意味は深いです。

瑚太郎は、常に居場所を求めていました。
そして、誰かの何かになりたかったと言っていた通り、彼は役割が欲しかったのです。

これは決して、あり得ないのですが……
もし、吉野が瑚太郎を受け入れ、仲良しになっていたらどうなるでしょうか?

きっと瑚太郎は、そこに定住して、それ以上何かを成そうとは思わなかったでしょう。
吉野と一緒に、寒い台詞を吐きつつ、絆で結ばれた兄弟とか言って、
路地裏で過ごす日々を送っていたかも知れませんね。
それはそれで見てみたいですが……。

居場所を求めて足掻いていたからこそ、MOON編までたどり着き、地球を救う一助を担う事になります。
その姿は、正に、開拓者ですが、それは孤独でなければ成し得なかった事という訳です。

〇吉野にとっての瑚太郎と言う存在

これは、アニメ作中では、Terra編 第一話(二期 第四話)で描写されていますが、
吉野は過去に、瑚太郎と会っています。

その際、彼に憧れた事から、あんな残念なキャラクターになってしまった訳ですが……
勿論、一期の瑚太郎は、その事を覚えていません。

そして、逆に、吉野は瑚太郎の事を覚えていますし、憧れたその人であると認識しています。
だからこその、あの態度です。

かつて憧れた人が、目の前に居ると言う事実と、以前とは違い軟弱そうになってしまったという事実。
この両方が、彼の心を苛立たせ、その結果、常に瑚太郎に対して攻撃的だったのでしょう。

ですが、やはりなんだかんだ言っても、吉野も瑚太郎を気に入っており、
更には、尊敬しているからこそ、最後の台詞に繋がります。

咲耶と言う存在

第一期の解説でも書きましたが、咲耶と瑚太郎の関係性は、とても深いです。
それは、ゲーム内で描かれることが殆どであり、アニメ版ではあまり出て来ません。
sakuya02
ですが、このMOON編において、その関係性と立ち位置が、以下の会話で示唆されております。

咲耶「いつか……あなたは私の運命だと言った事がありましたね」
瑚太郎「そんな昔の事、もう忘れたね」
咲耶「あなたは私の運命を超えて行った。運命線のその先を塗り替えた。私はこの場に立つことも、新たな可能性を創造する事も出来なかった」
瑚太郎「同じ能力、同じ運命。俺の方が後期型だったからじゃねぇの」

会話の通り、彼らは同じRewrite能力を持ち、鍵をめぐる運命に巻き込まれています。
ですが、咲耶は、その運命を乗り越えられず、「今夜」に来ることもできませんでした。

ですが、瑚太郎が、その先へ向かえたのは、能力の差もあるでしょうが、
大きな違いはその目的です。

彼は、孤独であるが故に、様々な可能性を持っていました。
それが、結果的に、多様な世界を生み出し、その先へと至ったのだと、私は考えています。
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瑚太郎「俺さ、どんな世界であっても、いつもお前を頼りにしてた気がする。頼むよ、兄弟」
咲耶「任せておいて下さい。兄弟」 

また、多くの世界を渡ったからこそ、感じられる絆という物があると、上の会話が裏付けていますね。
しかし、瑚太郎とは違い、咲耶の場合は、この場に立つ意味が、深刻です。

「すみません、ちはやさん。私と言う存在の全認識を束ねてこの場に立つために、少々時間がかかり過ぎました」

存在の全認識を束ねる。

つまり、枝世界の全ての咲耶を統合して、ここに存在しています。
そして、この場は、上位の世界なので、その先の行き場所はありません。

言い換えれば、この場で、瑚太郎を助ける為だけに、自分の存在を賭けて来たのです。
全ての世界の咲耶は、ここに辿り着き……そして、その先は、ありません。

瑚太郎が、「馬鹿野郎……」と寂し気に呟いたのは、そういう理由からです。

因みに、余談ですが、先程も書いた通り、
サクサクと篝に殺され、当たり前の様に復活していた瑚太郎ですが、
この時点では復活は出来なくなっています。

瑚太郎のこの世界での存在意義が、刷り替わったため、
反作用としての瑚太郎は、もう現れないからです。

正に、背水の陣。だからこそ、瑚太郎は必死だったのです。

月 そして 地球

理論が完成し、瑚太郎達の奮闘で再進化が起こります。
全てがアウロラに還元されました。
そう、篝を守りきり、勝ったのです。

しかし、篝の言葉が静かに響きます。

篝「別れを……別れを、天王寺瑚太朗」
篝「感謝を……天王寺瑚太朗」
篝「利己的な私を慈しんだ者

篝「天王寺瑚太朗は、私に会いたいと言った。けれど、もう会うことはない」
瑚太郎「待ってくれ篝。お前も一緒に行くんじゃないのか?」
瑚太郎「月? 俺達は月でやり直しするのか? なんて大きな……大きな」

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第一期より、ずっと、隠されていた真実が、漸くここで明かされます。
そう、今まで月だと思っていた天体は、実はアウロラを失い滅びた地球です。
改めて見返してみれば、その異様な大きさが目につきます。

第一期の舞台……つまり、枝世界の話は全て月での出来事です。
勿論、MOON編の出来事もです。名前の由来が漸く出てきましたね。
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実は、地球は既にアウロラを使い過ぎて、滅びかけていました。
そこで、地球からアウロラを奪い、月でそれを使ったのは、月の篝です。

瑚太郎「地球には生命が溢れ、だけど月には篝だけしか生まれなかった」

地球にはアウロラが十分にあり、生命が満ち溢れたのに、
月には、篝しか生まれてこなかったのです。

地球が、生命で満ち溢れる様を、月の篝は、一人ぼっちでずっと見つめていました。
ですが、そんな地球も、結局はアウロラが枯渇して、死を待つのみと言う状況に追い込まれます。

瑚太郎「篝、お前は地球が残したアウロラを使って、
    一人きりだった月に地球の姿を再現してみせたんだな?」

ですから、篝は決断しました。地球のアウロラを奪って、月で使うのです。
それは、きっと地球を救いたいという純粋な願いではなく、月に生命を満ち溢れさせたいという、利己的な欲求だったのでしょう。

篝「それは許されないこと。認めてはいけない感情だった」

ですが、それは、篝を苦しめていたようです。
その感情は嫉妬でしょうか? 欲望でしょうか?

そして、篝は月の為に理論を研究していました。
ですが……それは上手く行かなかったのです。

何故ならば……面積が足りないから。
そう、月ではアウロラが十分に活性化するだけの面積を確保できなかったんです。
でも、篝は研究を続けました。

そこに、瑚太郎が現れます。

彼とのふれあいで、彼女は徐々に心変わりしていきました。
人類に対して……そして、瑚太郎に対する想いが生まれます。

そして、彼女は決断しました。
自分のための研究をやめ、人類のために研究します。
その結果、出た答えは……地球へとアウロラを返すこと。

だからこそ、研究は進み、成功したのです。

篝「奪ったものを返して、それで私は無に帰る」

彼女は、アウロラを奪ったことを後悔していました。
アウロラを返せば、篝は、また月で一人ぼっちです。
ですが、彼女は、こう言い切ります。

篝「記憶があれば、寂しさに耐えられる。私はそれで満足」

そう。それは別れの言葉。
二度と、今の天王寺瑚太郎に会うことがないと知っているからこその言葉です。

アウロラは、記憶を保持しません。
アウロラに還元された、MOONの天王寺瑚太朗は、もう何処にもいません。
アウロラによって導かれ、新たに生まれた天王寺瑚太朗は、
地球の天王寺瑚太郎であって、MOONの天王寺瑚太郎ではないのです。

篝「よい旅を。人類」

だからこその、この言葉なのでしょう。
天王寺瑚太郎ではなく、人類に対しての祝福です。

これは、MOON編のOPです。曲名は「旅」。
このOPを見た時、私は不覚にも涙しました。
瑚太郎と篝の心の交流、そして、その先が、実に見事に表現されています。

そして、篝と別れ、アウロラとなった瑚太郎は地球へと旅立ちます。

「さぁ、この新しい世界で、過酷な淘汰を始めよう」

皆さん、ようこそ、Terraへ!!!

そして、最終章の、始まりです。

以上、本当に拙い解説でしたが、
お読み頂きありがとうございました。

※本記事の画像は、 以下の権利者より引用させて頂きました。
問題のある場合は、削除致しますので、ご連絡下さい。 

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