皆さま、こんばんは。
このような辺境まで、お越し頂き、ありがとうございます。

この記事、正直書こうかどうか、凄く迷ったのですが……
巷のこのアニメに対する反応を見ていると、私が思っている以上に

皆様、混乱している!?

と、感じまして……。

その混乱状況を楽しんでおられる方が多い一方で、
方向性が定まらず、どういう心境で見て良いのか見失っている方も、
少なからず見受けられました。

そこで、興味があるけど、理解できん!
何なの!? どういう事!? と言う想いを少しでも解消できればと
なるべくネタバレ極小の方向で、最初の二話と方向性をご紹介していきたいと思います。

ちなみに、前回の記事はこちらになります。
基本事項は、そちらを参照ください。 
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視聴者が物語に何を求めるのか?

いきなり、何とも微妙な話題で申し訳ありませぬ。
ですが、ここは、しっかりと物申しておきたいのです。

ちょっと、小難しい話になりますので、面倒でしたら飛ばして下さい

小説にしろ、漫画にしろ、映画やドラマ、そしてアニメにしろ
物語という物は、様々な表現、展開があり、それぞれの個性があります。

同じ様な物語でさえ、脚色が変われば、全く別の物に見えるでしょうし、
描く方向性が変われば、辿り着く結末も変化するでしょう。
『書き手の数だけ物語はある』と思って良いかと思います。

同様に、読者・視聴者の皆さんも物語を理解する過程で違いがでます。
全く同じ物語を見ていたとしても、やはり受け止め方は個々人によって違うでしょう。

ですから、物語の受け取り方も、視聴者の数だけあってしかるべきかと思います。
私は、そう思っております。

そして、その受け止め方も、個々人のその時の状況によって変わります
勿論、それはアニメも同じです。

イライラしている時に、説教じみた物語は嫌でしょう。
そういう時こそ、頭空っぽにして、見ているだけで幸せになれるアニメが良いでしょうし。

逆に、アニメに理解のない親が隣りにいる時に、萌え系でエロいアニメとか、
もう、泣きたくなるほどの死亡フラグでしかありません。
そういう時は、ちょっと青春物だったり、親が共感できそうなものがまだ良いですよね?

なので、私はこう思っております。

その時、その瞬間で、皆さんが心から必要としているアニメはいつも違うと思うんです。

だから、このアニメを見た時に、合わないなと思ったら、それはそれでいいと思うんです。
それは、貴方の心が、このアニメを求めていないのでしょう。
そして一生求めないかもしれません。それはそれで、幸せなことかもしれないです。

ですが、折角ここを読んで頂けているのですから、私見だけ述べておきますね。
このサクラダリセットと言う作品は、どんな人が必要とするアニメだろう?

そう考えた時、私なら、こう答えます。

自分の存在に疑問を抱いている人
そして、心に傷を負っている人にこそ見て欲しいです。

きっとこの作品は、そんな人にとっての癒しになる。そう思います。
ですから、もし最初の二話を見て、混乱されている方の中に、
そんな傷付いている方がいらっしゃいましたら、是非、最後まで見て欲しいと思います。

この作品を楽しむために

この方の作品は、基本的に、人間の心の光を描写する事に長けています。
本当に、雰囲気と世界が優しいのですよ。

ですから、この方の作品を読むと、私、不覚にも、いつも涙腺崩壊しております。

今回のアニメも、そんな優しい世界がちゃんと表現されております。
この二話だけにも、めっちゃくちゃ詰め込まれていました。
泣きそうでしたよ、私。いや、本当に。

え? どこがだよ!?

とか、今、思っておられる方も、非常に多いのでは無いかなと。
そんな私と、皆さまのこの差は、何でしょうか?

それは、勿論、知っているか知らないか? です。

私は知っているので、そこに注目しちゃいます。見え方が全然違う。
ですが、皆さんは知らないので、通り過ぎます。その差だと思います。

とは言うものの、私からすれば、その状態は羨ましいです。
知っていることを知らないことには出来ません。
一過性の物なので、今、混乱され、唸っている皆様は、
内容が、理解出来てしまえば私の方の仲間入りです。

是非、今のそのワクワク感と、モヤッとした感じを楽しんで頂ければ、
1ファンとしては嬉しいなと思います。

ただ、この手のお話が好きで、考察する事が得意な方は、鋭く注釈しておりました。 
知らなくても、ちゃんと見れば、伏線の数々が見えるように作られております。
そして、それが解った時の快感が凄い。だから、是非、皆さんにも解って欲しい。
そう思います。

あ、ちなみに、この作品、独特の会話が一つの個性となっております。
哲学的で、ちょっと聞いただけでは、意味不明の会話の数々ですが、
これまた重要な意味があります。

ただ、そこに意識をもって行かれて、
ちょっとした演出に目が向けられない方が多いかなぁと思いました。
目立つので、そこに意識が向きがちですから、気持ちは分かります。

ですが、これは、アニメです。

朗読劇でも、CDドラマでも、小説でもありません。
本当にアニメらしい手法で、見事に小説の世界を表現しております。

見落としたら、勿体ないですよ?

〇見るべきは登場人物の心情

いや、心なんて見えないじゃん。
とか思ってませんか? いやいや、良く見て!

あのシーンも……
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このシーンも!! うわああん!!
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言葉で伝えるより、直接的に見えてるじゃないですか!!
これは、アニメだからこそですよ。
シーンの一つ一つに、彼らの感情がこれでもかって位に、描かれております。

この時、この人は、どういう心境で、この言葉を紡いでいるの?
このシーンは、何を意味しているの?

この作品を最大限に楽しむ為に、必要なのはその点です。

厨二な奴らが、哲学っぽい事を語っているだけじゃないんですよ。
(中学生らしからぬ事を語っているのは否定しません)

アニメのスタッフさんは、その辺りを考え抜いて、描いてくれています。
原作から抜ける所は多いでしょうが、雰囲気はちゃんと伝えてくれてますよ。

何故、津島の声が坂上に届いたか?

さて、そんな風に、この作品の見所がわかった所で、
次は、多くの方が、首をひねりそうな所を解説していきたいと思います。

これは、春埼のリセットと智樹の能力の関係性が解っていれば、
問題ないと思いますが、念のために、説明しておきますね。

アニメの公式サイトにあります、用語集で、中野智樹の能力について説明があります。

以下引用です。
ケイの親友。任意の時間、任意の相手に、声を届ける能力を持っている。
能力の強度はAランクで、他の能力で対抗する事は難しい
 

つまり、リセットでは、彼の能力を消せないという事です。
彼の能力は、任意の時間任意の相手に声を届けるので……

世界が全て巻き戻ったとしても、彼の能力は残り続けます。

その辺りをしょっぱい相関図にしてみました。
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どうでしょうか?

ここで出てきた、能力の強度と言うものが、後に色々関わってきますので、
頭の片隅に置いておくとよいかと思います。

浅井ケイが色々と痛すぎるんだけど

この声、結構見ました。
イケメンだから許されるかなと思ったら、逆に男性からこの声が多い気が。
まぁ、私も、爆発しろとか思っちゃいますけど、それはそれ。

私は男なので、ソレ以上に、何となく彼に共感しちゃう部分が多かったりします。
それは、彼の過去の状況とか関係してたりもするんですけど。

まず、抑えておきたいところなのですが、あんな変な会話を繰り広げておりますが……
第一話、第二話の彼らは、中学生です。

いいですか? 中学生なんです。厨二病まっしぐらのお年頃なんですよ。
なので、この中学編で描かれている彼らは、未成熟な人間であるという事をご理解下さい。

では、その上で、第二話冒頭で、津島さんと言い合う場面を確認してみます。

ケイ「マリをどうするつもりです?」

津島
「普通の子供として、育てます」

ケイ「管理局は問題となる能力を秘匿し、母親からマリの記憶を奪って、
小さな女の子一人だけを犠牲にする方法を選んだ。より多くの人の幸福を優先したわけだ」

津島「それが管理局です」

ケイ「貴方はそれが正しいと思いますか?」

津島「子供が泣くような事は、正しい訳がない」

ケイ「間違っていても選ばなければならないと言う事ですか?」

津島「そんな訳がない。選ぶべきじゃないから、間違ったことなんだよ」

ケイ「矛盾している。貴方は何がしたいんです?」

津島「何もしたくないよ。こんな面倒事、関わりたくもない」

ケイ「でも貴方は関わっている」

津島「したくない事をするのが、仕事なんだよ!」

もうね、おっさんの立場としては、こう胃がですね、キリキリとくるわけですよ。
同じように感じられた方も、多いのではないでしょうか?
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ですが、ここで、冷静にこの会話を見てみると、ある構図が見えてきませんか?

ケイは、淡々とド正論を吐き続けております。
対して、津島は最初は冷静に対処しておりますが、最後は感情的になっています。

もし、このやり取りをみて、不快な気分になった方がいましたら、多分それが普通です。
だって、それが、大人なんだと言う事を、その方は知っているはずですから。

ケイの言う事は正論だと知っているけど、どうにもできない。
だから、余計に不快なんですよね。少なくとも私はそうです。
そして、それは作中の津島もそうですよね。

対して、一見、理路整然と正論という名の綺麗事を並べまくっているケイ君ですが、
彼は明らかに大人である、津島を責めています。

けど、普通はこんな事できません。幾ら何でも言いすぎでしょう。
言い方だって工夫すればどうにでもなります。
更に、周りとの関係性。目の前の人の心情。
色々と、配慮すべき事が多い事を大人なら知っています。

尤も、この状況では、以下の事が、ケイの行動を大胆にさせている部分もあったかもしれません。

・リセットがあるので、やり直しが効くと思っている。
・リセット前に、多くの情報を引き出しておきたかった。

まぁ、激甘ですね。世の中舐めまくりです。
こんなことをしてしまうのは……理由はどうであれ、
明らかに子供ですよね。

私はこのやり取りを見て、真っ先に、こう思いました。
あ、これ、子供大人の対比だと。

実は、この一話と二話には、各所で、そんな対比が見て取れます。
その辺りをちょっと意識してみると、イメージが変わってくるのではないでしょうか?
マリの母親との会話も、そんな所が見て取れますし、2回めの津島との会話もそうです。

『浅井ケイ』は、自分の正義を信じられないまま、他所に押し付けてしまいます。
春埼を言い訳にして、それでも自分の信じる善を為そうとします。
その身勝手で押し付けがましい善ですが、それでも、最後は少女を救いました。
これは、そう言うお話です。

この二話で描かれている彼らは、浅井ケイも含め、どうしようもなく子供です。
どんなに難しいことを話していても、凄そうな事を言っていても、配慮の出来ない子供ですよ。

だから、ムカついたまま、子供で青い彼らを見てあげて下さい。
青い時代だからこそ出来る事をしっかりと見ておきましょう。
でないと、ただのムカつく野郎で、浅井ケイのイメージが定着してしまいます。

特に、大人の視聴者様には、そういう視点を持つことを強くお勧めしておきます

何故、相麻菫を救うためにリセットしなかったの?

これは、分かっている方は分かっていると思うので簡単に。

一言で言えば、「リセットが使えない状態だった」からです。
前回の記事でも詳しく書きましたが、リセットを使ってしまうと、
24時間は再リセット不可能です。

では、何故、リセットを使ってしまったかと言えば……
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この色気も何も無い、キスシーンのせいですね。

ここでも、ケイは、身勝手な行動を繰り返しました。
春埼がケイに恋愛感情を抱いていないと確認し……
そして、その事実を無かった事にしたいが為、リセットを指示しました。

この時、彼は、「嬉しい?」と春埼に問いかけ、「わからない」と言う答えに対し、
「僕は全く嬉しくない」と答えました。

まぁ、一見すると、何だか最低な行動にも見えますし、実際、弁明の余地も無い訳ですが……
この時のケイの心情を考えると、ちょっと同情してしまいます。

まず、彼が、何故こんな事をしたかと言えば、勿論、期待していたからです。
そう、春埼に本当に感情が芽生え、心からケイを好きだと言ってくれていると言う期待です。

このことから、ケイはこの時点で、春埼の事が少なくとも異性として気になっており、
そんな事を期待してしまう程度には、好意を寄せているということがわかります。
これは、前日に相麻菫と話した際に、自覚したということですね。

また、キスシーンの絵を見れば分かる通り、ケイは目を瞑っています
これは、恋人としてキスをしたいという願望の描写だと思われます。

ですが、そんな彼の想いに対して、春埼の答えは、わからない……でした。
つまり、ケイの予想通り、まだ春埼に感情は伴っていなかったと考えられるわけですね。

その事に対して、ケイの中で吹き荒れた嵐は相当のものだったのでしょうね。
わかりきっていたじゃないか、と思う一方で、何やってんだ俺は的な後悔もあったでしょう。
それらの心の嵐からの、「僕は全く嬉しくない」だと、私は理解しています。

だからこそ、黒歴史を消し去りたいという思いと、
まだ、関係性を進めるのは早いと判断したことから ……
全部、無かったことにしようと言う、彼自身の身勝手な理由の為にリセットをしました。
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そして、その結果……彼の予想だにし無い事が起こってしまいます。
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セーブしたのは、8月31日(火) 14:45 です。
リセットしてから、24時間はセーブ出来ないので、
次にセーブできるのは、9月1日(水) 14:45 です。

そして、相麻菫が死亡したのが、その間です。
完全に詰みです。リセットはどうやっても出来ません。
相麻菫の死は、この時点で確定しました。

彼のこの時の心情は、計り知れない物でしょう。
私なら、もう完全にうつ状態です。自殺を考えてもおかしくないレベルです。

そして、彼の後悔もそれ以上だったでしょう。
だからこそ、彼は、泣けませんでした
自分の為の身勝手なリセットで、相麻菫を殺してしまったと考えていた彼は、
涙を流すことすら自分に対して許せなかったのです。だから、涙は出ません。
それぐらいに、彼は善人で、正義感が強かったんですよ。
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だから、涙を流せない彼に変わって、春埼が涙を流しました。
この流れは、そういう理由があります。
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さて、この事は、二人の関係に楔を打ちました。
何より、この事で浅井ケイは、過ちを犯したと自覚した事から、
以後、二度と自分の為にリセットは使わないと難く決意します。

そして2年の時が流れた

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これもまた、アニメから入った人は、驚いたようですね。
原作組からすれば、本編にやっと到達したと言う感じが強いです。

さぁ、青かった彼らはどう変わったのでしょうか?
本編の高校生編のスタートになります。
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更に、これは、後の話になりますが、中学編の話はコレで終わっていません。
お気づきの方も多いと思いますが、ここまでで2話です。
この後の3話目があります。これは、恐らくですが、1期最後の方に来るかと思われます。

先に伸ばしたということは、それだけ重要なお話なんですよね。
という訳で、流れとしてはこんな感じです。

内容としては、小説版の1巻になるでしょう。文句なしに面白いですよ。
魅力的なキャラクターが一気に増えます。
そして、サスペンス調の流れが続くことになりますので、お楽しみに。

4月22日12時までになりますが、U-NEXTで無料配信しております。
ご興味があれば、是非、見てみて下さいね。

※4月17日 2:00 追記
小説の1巻が、無料開放されていましたので、ご紹介します。
次回、アニメ版 第3話と4話の内容だと思います。
お気になった方はどうぞ。

以上、非常に適当ではありましたが、解説とさせて頂きました。
お読み頂き、ありがとうございました。

うーむ、何度も見たせいか、エンディングテーマに慣れてきた……。
歌詞は泣けるんですよね。歌詞は。

※本記事の画像は、 以下の権利者より引用させて頂きました。
問題のある場合は、削除致しますので、ご連絡下さい。 
©河野裕・椎名優⁄KADOKAWA⁄アニメ「サクラダリセット」製作委員会